2007年 07月 18日
本と漫画と、あと映画 「人間の厚みは読んだ本の厚みで決まる。」 「子供はとにかく本を読め。」 よく聞く言葉です。 それに引き換え漫画は、 「漫画ばかり読んでると頭が空っぽになる。」 「学校には漫画は持ってきてはいけない。」 よく言われた言葉です。 なんで本はよくて漫画はだめなんだ、とみなさんも一度は思ったことがあるかと思います。 今回はちょっと真面目にこのことについて考えてみます。 ちょっと前、根っからの文学部の女の子と、これに関して議論したことがあるんですが、 最終的に「では結局私が貴女にいくら払えば、私に抱かれる気になるのか」という議論になり、 話があらぬ方向にいってしまったので、今回はよきところで止めておきます。 本が他の媒体より優れているのは、想像力が養われることであると言われている。 情報が活字しかないため、その限られた情報から頭に絵を描かなければならないからである。 例えば登場人物や建築物、風景、天気と言った様々なディテールまで 自分の想像で創りださなければならない。 それによって自分で自由にイメージを膨らませることが出来る。 想像を膨らませてデフォルメしたり、あるいは美化したりして、 自分だけの登場人物を創りだす楽しさがある。 しかし、反面その本の面白さは読み手の想像力に大きく依存してしまうということになるだろう。 確かにそれに比べて、漫画は頭を使うことに関してはそれには劣ってるのかもしれない。 もうそこには絵が描いてあり、我々読み手が想像力を働かせるのは、人物の動きや喋り方程度である。 本とは違い、ある程度作者側がイメージを固めてしまう。 しかし、自分の頭では想像もし得ないような、作者のオリジナルのイメージを読み取ることが出来るため、 そこから受けるインパクトは漫画の方が大きいだろう。 即ち、作者のメッセージ性は漫画の方が強いということである。 この二つに限らず、作り手から与えるイメージを一つの軸に考えてみると、 本 → 漫画 → 映画 (活字のみ → 活字+絵 → 映像+音声) の順で強くなっていくと考えられる。 (テレビも映画と同等であるが、より芸術性の高いものを選択した。) 言い換えれば、この三つのメディアの中で、映画は作り手のイメージを最も強く伝えることが出来るが、 最も想像力を養えないメディアであるということだ。 しかし、映画には古い歴史があり、その芸術性も高く評価されている。 つまり、想像力を養えるかどうかというのは、その作品の善し悪しを決定する要因ではない ということではないだろうか。 それなのに、漫画の評価は他の二つに比べて非常に評価が低い。 だが現に漫画喫茶が一種の社会現象とも言える程、我々に浸透してきており、 海外で日本の漫画がとてつもない人気を博しているのも確かである。 我が国が誇る高尚な文化として漫画が世界に認められる日も近いのかもしれない。 最後が社説みたいに行儀よくまとまったので、この辺で。
by seven_spot
| 2007-07-18 23:42
| 雑記
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